脱公務員電子回路設計エンジニア

過電流継電器について

過電流継電器

Over Current Relayの略で、現場では通常(オーシーア―ル)と言われます。実際の継電器を見るとあまりご経験のない方はなんだかよくわからない、難しいものというとらえ方をされている方がいます。
 ただこの継電器のやっていることは非常に簡単なことを行っております。
電流の大きさを見ているということだけです。もうちょっと正確にいうと、電流の大きさだけを見ているものです。
 簡単ですよね。簡単ですが私も初めて見た時はまったくよく理解できないものでした。でも一度理解できると、一体なんで理解に苦しんでいたのだろうという感じです。

まずは基本から

このOCRですが、まず覚えてほしいことは設置されている受電設備の型、設置位置を覚えましょう。理解できていない方はここら辺をしっかり覚えていない方が多い気がします。
まず、OCRが設置されている受変電設備の型ですが、これはCB型です。
 受変電設備の型は、以前説明した通り、PF・S型とCB型しかありませんでした。そしてPF・S型の過電流保護を担っているのは、パワーヒューズです。そしてこのパワーヒューズは、

過電流遮断器の設置経緯について

電気事業法では、電気設備には過電流による加熱焼損を防止しなければならないことが決められておりますので、 必ずそのような電気設備にも過電流からの保護装置が設置されております。
 この決まりでいうと単純に安全のために設置する必要があるとの理解で終わってしまいますが、OCRの設置の経緯は実はこの理由からではないそうです。
 非常に受電設備の歴史を知っている高齢の技術者の方から聞いた話ですが、
OCRは電気の使いすぎを防止するため、つまり、電力制限のために設置したということらしいです。
 これはどういうことかというと、昔は、受電設備を設置してから、電気料金の算定には設置しされている変圧器の容量で電気料金が決まっていたようです。したがって、逆に言うと変圧器の能力を超えてちょっと無理に電気を使用しても、容量より小さな電気しか使用していなくても電気料金は同じように取られます。少ない状態で使われる分にはいいのですが、多く使用されてしまうと電力会社的には損をしてしまいます。
 なので、使用している電気の量を監視して、契約している容量以上の電気を使用できないように、最近まで一般家庭にも設置されていた,電流制限器の役割で、受電設備にOCRが導入されたという経緯があるようです。ところが、いつの間にか、過電流保護を行う機能を持たせて電気の事故から設備を保護するという目的が主になってしまったということらしいです。 ちなみに、今現在低圧の一般用電気工作物である住宅に一昔設置されていた電流制限器はもうほとんど撤去され、スマートメータに変わってしまっています。  さらにちなみにですが、OCRが作動するということは、変圧器一時側で短絡した場合を検出している訳です。トランス二次側の短絡などは、変圧器二時側についている配線用遮断器が担います。トランス二次側での短絡はトランス二次側で見ると大変小さな電流なので、短絡除去できません。OCRの過電流監視領域は、CT設置点負荷側から、トランス一時側保護装置(PFやPC)の一時側までというきわめて短い距離の監視範囲になります。

設置されている理由が謎なOCR?

 先ほど、OCRの設置の経緯をご説明したとおり、本来OCRは受電設備に設置する必要がないものでした。 ところが、過電流からの設備の保護という名目でそれなりにに存在理由が現在は確立されています。しかし、数十年受変電設備に携わってきた方によると、まずキュービクル内で短絡などめったに起きない。むしろそのようなことを経験したことがないというお話を聞いたこともありますし、また別の熟練の方からはDSで蛇が絡まって短絡した設備を経験したことがあるというお話もお聞きしたことがあります。
この二つの話に共通していることは、遮断器二次側~トランス一時側間での短絡ではないということです。
なぜ、遮断器二次側からトランス一時側の間を気にするか、これも一つポイントです。
過去の事故事例などを参照すると、設備内での短絡事故は、DSまたはVT周りで発生していることが多いわけです。すると、OCRは、遮断器二次側に設置されている変流器の電流により、関節的に設備一時側の負荷電流を計測しているわけで、CT自体は設置点から負荷側の電流しか監視していないわけです。すなわち、事故事例の多い箇所である、VTやDS周りで発生する短絡などは検出して除去することがOCRを設置していてもできないことになります。ここら変が先ほどお話しした、OCRの設置の経緯は過電流保護ではないというお話と辻褄が合うかと思います。

ますます設置理由が不明になってしまったOCR

 繰り返しになりますが、OCRは遮断器二次側から系統側の短絡事故検出はできません。これはかなり由々しき自体です。なぜなら、遮断器一時側での短絡事故が多かったという歴史的な事実の上で、OCRが機能していないことになります。そして、受変電設備で生じた短絡などを事故除去できない場合、誰が除去するかというと、さらに上位系統である、電力会社の配電用変電所内の遮断器になります。
しかし、これでは、大きな問題があります。それは波及事故が防げないということです。ここらが受変電設備構成を難しくしてしまっている根源でもあります。
電気の事故除去の考え方は、停電個所の局在化です。
 つまり、電気は国の経済活動にとって非常に重要なエネルギーのため、これが遮断されると経済活動に大きな影響があるので、事故が起きた場合は、極力その事故が起きた箇所を速やかに除去し、送電、配電を継続して停電による影響を最小限にしようというのが事故除去の考え方です。
 よって、先ほどの話に戻りますが、短絡が起きても事故検出ができないならOCRを設置している意味がなくなってしまうわけであります。
 以上の理由で、OCRの設置意味というのは本当は完全に意味が本来ない分けでありますが、これをなくしてしまうと、主任技術者の定期点検における仕事量の減少、およびこのような継電器の製造や設計をしている部署の仕事がなくなってしまうという不都合な事実があります。

OCRの設置理由が完全に意味不明になってしまった規制緩和

 現在の過電流による高圧受変電設備の過電流保護となるメインの考え方はSOG制御になっています。
これは、SO(Storage Over)、G(Ground)の略で、ここでは地絡に関する話はおいておきまして、SOについての機能の話に絞ると、仮に自分の構内で短絡事故が発生した場合、系統側が無電圧になった状態になるまで遮断しません。これが、勉強したての方に理解しにくい概念になります。
つまり、短絡事故が発生した場合需要家側では本来事故の局在化の観点からこれを遮断しなければいけないのですが、上位系統側の配電用変電所の遮断器で遮断したあと、もちろん配電線が無電圧になります。これを検出して、需要家側で柱上のPASを遮断し自分の設備と系統を一度切り離します。
 その後、配電側で再閉路(1分後に再び配電用変電所の遮断器を投入する)し、これに成功した場合は供給支障事故とは見なさないつまり、波及事故と見なさないということになりました。これにより再送電に成功した場合はなんと事故報告がいりません。これは重大な変更内容です。
 要するに、極端な話をすると、自構内で短絡事故が発生した場合、無理に遮断しないで配電用変電所遮断器で遮断 してもらった後、PASのSO動作により、系統側と切り離しさえすればよいということにになります。したがって、OCRの瞬時特性はむしろ必要ないのではないかという考え方に発展します。
 過負荷の検出である限時特性においても、自構内の設備を異常から守るという点からは重要ですが、これは通常各設備についている配線用遮断器やヒューズなりが適切に遮断を行えば住む話であり、OCRのほうで無理に過負荷の検出をする必要性もあまり無いことになります。まとめるとOCRの存在意義がまるで現在無いということになります。もちろん波及事故扱いにならないとはいえ、不必要に配電用変電所のCBを遮断させることは無いに越したこてゃ無いので日常の点検は重要になりますが、OCRを設置したり点検する意味合いが無くなってしまっているということになりました。
 ここら辺に疑問を感じてい方の理解に少しは貢献できたでしょうか?よくわかってくる程分からなくなってくるOCRの設置の現在の意味づけでした。